活動紹介

No.40 2016年度第1回「温泉まちづくり研究会」を開催しました(2016年7月1日)

No.40 2016年度第1回「温泉まちづくり研究会」を開催しました(2016年7月1日)

7つの温泉地と当財団が共同で研究活動を進めている「温泉まちづくり研究会」(2008年発足)。2016年7月1日(金)、当財団会議室で2016年度第1回温泉まちづくり研究会が開催され、会員7温泉地の皆さんが集まりました。概要は以下の通りです。

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1. 開会

2. 挨拶 大西雅之氏(温泉まちづくり研究会 代表)
    金井啓修氏(温泉まちづくり研究会 副代表)
    桑野和泉氏(温泉まちづくり研究会 副代表)

3. 議事
    進行 梅川智也(温泉まちづくり研究会 事務局長)
      守屋邦彦(温泉まちづくり研究会 事務局次長)

  【第1部】総会
   (1)2015年度事業報告・決算報告
   (2)2016年度事業計画案・収支計画案

  【第2部】各温泉地からの報告
   (1)黒川、由布院、道後(熊本地震発生から現在の状況など)
   (2)阿寒湖、草津、鳥羽、有馬

  【第3部】当研究会の第4ステージ(2016〜18年度)の進め方
   (1)事務局より報告 (これまでの研究会活動の振り返りと今後の展開)
   (2)意見交換(これまでの研究会活動の成果・課題)

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「この研究会は、3つのステージに分けてこれまで8年間、活動を行ってきた。9年目を迎える今年度からは第4ステージと位置づけ、今後3年間でどう進めていくかが今日のメインテーマ」という梅川智也事務局長からの挨拶で会がスタートしました。

続いて梅川事務局長は「昨年12月に『災害と温泉地』というテーマで研究会を開催したが、今年4月に発生した熊本地震で何が出来たか、忸怩たる思いがある。会のあり方も改めて考えていきたい」と述べました。

大西雅之会長は「この8年間の活動を通じて、7つの温泉地が本当に仲間になれた。顔が見える関係が築けていた中で熊本地震が起こり、本当に胸が痛んだ。まだまだ大変な時に、九州の温泉地からこの会に参加いただいてありがたいと思う」と述べました。

そして釧路市(阿寒湖温泉)で入湯税のかさ上げを行ったことにふれ「最初は大きな反対があったが、地域で危機感を共有でき、最終的には全会一致で導入できた。今回の熊本地震で黒川温泉も由布院温泉も大変な状況だが、そういう時こそ新しい財源づくりに挑戦する絶好のチャンスではないかと思う」と語りました。

第1部の総会では、事務局から昨年度の事業報告及び本年度の事業計画案についての説明を行いました。

守屋邦彦事務局次長からは本年度の事業計画について、「現場に学び、互いに学び合う『実践型研究会』という従来の位置づけを踏襲しつつ、さらにテーマを絞り込んで年間、あるいは複数年に渡る議論も行っていければ」という話がありました。

今年度の研究会は、今回を含め計3回の開催を予定しており、第2回目は10月25・26日の2日間に渡り、「(仮)温泉地と国際MICE〜伊勢志摩サミットを例にして」というテーマで、鳥羽温泉で開催を企画しています。第3回目は12月に東京で開催予定です。
 

第2部の各温泉地からの報告は前後半に分け、前半では熊本地震の発生から現在までの状況について黒川、由布院、道後の3温泉地の方々よりお話しいただきました。

黒川温泉観光旅館協同組合事務局長の井聖富氏からは「ゴールデンウィーク後、しばらくはぴったり客足が止まった。今は少しずつ客足が回復しているが、例年に比べれば非常に少ない。被害状況に関するテレビ局や新聞などメディア取材が多くきたが、回答がぶれないように発言者はすべて組合長のみに統一した」という話がありました。

続いて、当研究会の副代表を務める由布院温泉観光協会長の桑野和泉氏は「4月18日に、『被害が大きいところもあるが営業可能な店舗や事業所は再開している』と地震後初のメッセージを出した。対外的な発信とともに、可能な事業者から営業してほしいというエリア内へのメッセージでもあった。それによって営業再開のスピードは早まったと思う」と述べました。

また、「地震をきっかけに自分たちの町について改めて考え、今まで忙しくて逃げていた課題についてじっくり議論する時間ができた。また、今まで大分県内の市町村は観光誘致に関して動きがバラバラだったが、ネットワークが強化された」とのこと。由布院温泉と黒川温泉では連泊割引プランの実施や共同イベントを開催するなど、連携が一層強化されていることも報告されました。

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第3部では、今後の研究会の進め方について議論を行いました。これまで当研究会では、多様なテーマを勉強・議論してきましたが、これらが各温泉地でどのように活かされてきたのか、また今後どのような活動を行うことが望ましいかといった点について、各温泉地の方に、自由に意見を述べていただきました。

今年2月、研究会で初めて取り上げた雇用の問題については引き続き関心も高く、「各温泉地にとって重要課題なので、今後もとりあげてほしい」「新たな人材の確保も大事だが、今働いている人材にいかに働き続けてもらうかを考えることも大事では」などさまざまな意見が出されました。
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(2016/7/8 守屋邦彦)