平成22年度 観光基礎講座
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~観光交流で地域に賑わいを!~
観光は多くの産業・分野と広く深く関わりを持つため、観光関係者が取り組むべき課題は多岐にわたり、複合的な考え方を求められます。既存の観光地に限らず、これから観光振興に取り組もうとする地域において、今後はますます、基礎的な知識の裏付けのもと、地域の明確な将来ビジョンを持って地域振興や観光振興を進める人材が求められていくでしょう。
当財団は旅行・観光の文化的かつ持続的な発展に貢献する公益法人として、全国各地で観光振興のお手伝いをしてまいりました。本講座は、これまでの経験とノウハウを活かして独自の視点と切り口で構成しています。観光・地域振興・リゾート関連事業に新たに従事される自治体や業界の方々、地域の観光振興の担い手の方々の人材育成の一助となるよう平成8年度に開講以来、今年で15年目を迎えます。
観光をめぐる基礎的な知識の習得はもちろんのこと、専門的な実践ノウハウ、ヒントなどの実用情報も盛り込んだ、観光担当者にとって日々の業務に役立つ講座です。約30名という少人数制により、講師への質問や参加者同士の意見交換の時間も充実させています。ご参加をお待ちしております。
概要
テーマ | ~観光交流で地域に賑わいを!~ |
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開催日時 | 2010年6月17日(木)~18日(金) |
会場 | 第一鉄鋼ビルD会議室 東京都千代田区丸の内1-8-2 第一鉄鋼ビル 地下1階 JR東京駅 八重洲北口 徒歩3分 地下鉄大手町駅 B10出口 徒歩1分 |
主催 | 財団法人日本交通公社 |
スケジュール
■6月17日 (木)
10:00 | 開講・オリエンテーション |
10:10 | 講義1 : 成熟社会の観光の意味と可能性 時代とともに旅行者も観光のあり方も変化しています。この講義では、成熟化した社会における消費行動としての旅行を読み解きながら、観光振興に携わる方にまず、とらえていただきたい、現代社会における観光とは、について解説します。これからの観光にはどんな欲求の実現が求められるのか、地域はどのように取り組むべきなのか提言します。 講師:(財)日本交通公社 常務理事 小林 英俊 |
11:40 | 講義2 : データから読む:旅行者の動きはどう変わっているか 地域の観光戦略を考えるには、旅行者の動きを読みニーズを把握する必要があります。当財団の独自調査レポート『旅行者動向』などをもとに、この10年間における旅行者の動きの変化とこれからのマーケットの捉え方についてお話します。 講師:(財)日本交通公社 主任研究員 黒須 宏志 |
13:40 | 講義3 : 官民連携の地域ブランドづくり~やきそばが地域を変えた B級グルメ「富士宮やきそば」で地域ブランド化に成功した富士宮市。軌道にのったやきそばにとどまらず「にじます」「豚」「日本酒」・・・、次々と食をテーマにした仕掛けが進んでいます。「やきそば学会」設立以来の”やきそばG麺”、運営専務としても、市民の活発な取り組みを仕掛け、支えてきた渡辺氏が、本年4月、総合調整室長兼務フードバレー推進室長に就任されました。地域のブランド化方策、官民の協働・連携の秘訣などについて、お話いただきます。 講師:富士宮市 総合調整室(兼)フードバレー推進室長 渡辺 孝秀 氏 |
15:30 | 意見交換会 (~19:00) ○課題の共有、意見交換ほか ご参加の皆様の地域での取り組みや課題を共有化し、講師や参加者が意見を交換する場です。ネットワークづくりにも役だったと毎年ご好評いただいています。 |
■6月18日 (金)
9:30 | 講義4 : もう一度行きたい、口コミしたい観光地へ~大事なのは顧客満足(CS)とロイヤリティ 観光地でとらえるべき来訪者データの中でも、顧客満足度(CS)、紹介意向・再来訪意向(ロイヤリティ)への関心が高まっています。各地で実施され始めたCS調査事例などをもとに、基本的な考え方や留意点、調査結果の効果的な活かし方などについて解説します。満足度やロイヤリティを手がかりに、再び訪れたくなる、口コミしたくなる観光地をめざす次なる戦略を! 講師:(財)日本交通公社 主任研究員 山田 雄一 |
11:00 | 講義5 : 観光地再生~現在進行形の鳥羽市の取り組みに学ぶ 伊勢神宮の式年遷宮を間近に控え、老舗観光地の鳥羽市が新しく動き出しました。三重県が平成16年、観光戦略を立て直し、元気な民間組織もエコツーリズムに積極的に取り組んでいます。鳥羽市のプロジェクトは、民宿から高級旅館まで幅広い宿泊産業の活性化策、観光案内標識の自律的なあり方の検討など。実際に関わった当財団研究員からみた鳥羽市の取り組みに学びます。 講師:(財)日本交通公社 主任研究員 吉澤 清良 |
13:15 | 講義6 : 新たな時代に対応した地域体験型観光の推進方策 自然体験、農林漁業体験は新たな観光メニューとして各地で注目されていますが、現場では苦戦も見られます。そもそも人々は自然地域や農山村に何を求めているのでしょうか。「体験の提供事業」だけで良いのか、流通やマーケットとのコミュニケーションは十分か・・。地域の風景や文化に親しむ楽しさや快適性など、地域や観光行動を広く捉えなおした、新しい地域体験型観光の推進方策を提言します。 講師:(財)日本交通公社 主任研究員 大隅 一志 |
14:45 | 講義7 : 観光立国時代の地域インバウンド 今や重要な国家政策となったインバウンド旅行の促進。地域はどのように取り組めば良いのでしょうか。講師の五十嵐氏には、インバウンドの旅行市場に関する基礎知識と課題を整理した上、海外での現場経験にもとづく、世界(アジア・中国)からの日本への視線を実感させていただくようお願いしました。国内各地での取組み例や今後の取り組みへのヒントもうかがいます。 講師:前JTB中国社長 五十嵐 力 氏 |
16:00 | 総括(ふりかえり) (財)日本交通公社 常務理事 小林 英俊 |
16:20 | 閉講 |
◆企画・進行:(財)日本交通公社 主任研究員 久保田美穂子
長野県生まれ。当財団で主に温泉地、旅館・ホテルをめぐる旅行マーケットの動向、地域振興のためのセミナー企画に関する業務に携わる。平成16年度より本講座の企画運営を担当
※講義内容・講師は、やむを得ず変更となる場合がございます。その節はどうぞご了承下さい。