新型コロナウイルス感染症が拡大する中、諸外国・地域のコロナ対策を整理し、ウェブサイト及び『観光文化(246号、247号)』に掲載した。国内各地のコロナ対策は、毎年実施している都道府県・政令指定都市及び主要な観光地を有する市町村を対象としたアンケート調査において把握し、『旅行年報』や「旅行動向シンポジウム」等で公表した。この他、レジリエントな観光地のあり方を検討するにあたっては、国内外の様々な分野における先行研究を整理した。また、戦前の我が国の観光政策に関する研究会、観光地のスマート化に関する研究会を開催した。加えて、コロナ禍で注目されているワーケーションの取組状況の把握し、『観光文化(248号)』等で発表した。
概要
近年、観光立国の実現に向け国の施策が強く推進され、地方自治体においても「観光」政策がますます重要な位置づけになってきていた所、2020 年早々からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下、新型コロナ)の拡大により、各地域の観光の先行きは見通せない状況となった。
そこで、COVID-19の影響を受けての各種検討を共通テーマとし、中長期的、および短期的の両面を視野に入れながら、複数の観光政策関連の自主研究を「これからの観光政策に関する研究」として一体的に展開した。2020年度については以下の4つを主テーマとしそれぞれから得られた知見を連携させることで相乗効果を図りながら実施した。
(1)「レジリエントな観光地(※)のあり方に関する研究」
(2)観光政策の実態・変遷に関する研究
(3)「観光地のスマート化に関する研究」
(4)「ビジネス需要と地域観光振興に関する研究」
※レジリエントな観光地=新型コロナだけでなく、他の感染症や自然災害、経済恐慌等、大きな環境変化が生じた後でも対応力、競争力のある観光地、と仮に定義
報告
成果物
- 『観光文化(246号)』観光研究最前線:諸外国におけるCOVID-19対応ガイドラインー2020年4〜5月の状況
- 『観光文化(247号)』観光研究最前線:諸外国におけるCOVID-19への対応状況~海外の研究者からの情報提供より
- 『観光文化(248号)』 特集2:事例集 コロナ禍の最中に見いだした、6つの明るい兆し「ワーケーション」
- 『旅行年報2020』 第Ⅴ編 観光政策(Ⅴ-2 都道府県による観光政策/Ⅴ-3 主要市町村による観光政策)
- 第30回 旅行動向シンポジウム「コロナ禍の観光の動向を振り返る」
- 戦前の我が国の観光政策に関する研究会
- 観光地のスマート化に関する研究会