活動紹介

No.136 「2022年度第3回温泉まちづくり研究会」を開催しました(2月20~21日)

No.136 「2022年度第3回温泉まちづくり研究会」を開催しました(2月20~21日)

2022年度の第3回温泉まちづくり研究会を2023年2月20日(月)~21日(火)の2日間に渡り、黒川温泉(熊本県南小国町)で開催しました。概要は以下のとおりです。

【1日目】第1部
(1)開会挨拶
 黒川温泉観光旅館協同組合 代表理事 音成貴道氏
 温泉まちづくり研究会 代表(株式会社宝荘ホテル 代表取締役社長) 宮崎光彦氏

(2)講演・ディスカッション
「黒川温泉2030年ビジョンの取り組み」
 黒川温泉観光旅館協同組合 事務局長 北山元氏
 黒川温泉観光旅館協同組合 理事(環境部) 小林慎太郎氏

【2日目】第2部
(1)講演・ディスカッション
「次世代リーダー研修黒川塾」について〜キャリア形成視点での従業員教育
 黒川温泉観光旅館協同組合 理事(研修部) 後藤麻友氏
 地域活性化プランナー/ MAEDA LD OFFICE代表 前田優氏

今回は当研究会の会員温泉地のひとつである黒川温泉での開催となり、現地での集合形式と合わせてオンライン配信を行うハイブリッド形式で行いました。

黒川温泉観光旅館協同組合の音成貴道代表理事から「コロナ禍で集まる機会が少なくなった中、こうして集まることができたことは大変素晴らしい。人手不足対策や魅力的なまちづくり、宿泊産業の構造改革など課題はたくさんあるが、各地の力を集め、日本の伝統文化である温泉を使った宿泊施設を盛り上げていければ」との挨拶がありました。

続けて、当研究会代表の宮﨑光彦氏からは「現在は全国旅行支援により各温泉地とも好調と思う。しかし、支援が終わってから実力が問われる。コロナ禍で、良い宿づくり、良いまちづくりが地味だが一番効果があるとわかった。この2日間、皆さんと意見交換をして様々な気づきを持ち帰りたい」と開会の挨拶がありました。

 

黒川温泉2030年ビジョン ~世界を癒す、日本里山の豊かさが循環する温泉地へ~

1日目は、「黒川温泉2030年ビジョンの取り組み」と題し、黒川温泉観光旅館協同組合の小林慎太郎理事と北山元事務局長による講演が行われました。

熊本地震、コロナ禍を経て2021年に取りまとめられた「2030年ビジョン」には、黒川温泉の目指すべき未来の姿が記されています。同ビジョンでは、「世界を癒す、日本里山の豊かさが循環する温泉地へ」という副題を掲げ、次世代に健全な状態で温泉地を引き継いでいくために「循環」型の地域に転換していくとしています。地元で育てた牛を地元旅館で提供する、入湯手形の売り上げの一部を環境保全にあてるなどといった具体的な取り組みは、研究会参加者の関心も高く、活発な意見交換が行われました。

また黒川温泉はブランド構築にも取り組んでおり、来訪者に自然を大切にする温泉地だと伝え、また地域風土や文化に本質的価値を求める客層にアプローチするために、落ち着いたトーンの写真を用いてビジュアルで訴える宣伝を行っています。講演では、その詳細や実績の説明がありました。

黒川温泉一帯地域
コンポストプロジェクト

次の百年を作るあか牛“つぐも”
プロジェクト

「入湯手形」の売上の1%を
環境保全へ還元

「黒川温泉一旅館」―地域が一体となって人材の発掘・育成・定着に取り組む

黒川温泉の採用情報サイト

2日目は、黒川温泉観光旅館協同組合の後藤麻友研修部理事、黒川塾の設計・運営を担う前田優氏より、人材育成に関して講演が行われました。「黒川温泉一旅館」をモットーとする黒川温泉では、黒川温泉の全旅館共通の採用サイトを立ち上げ、温泉地が一体となって人材の発掘・育成・定着に取り組んでいます。その取組の一環として、2019年には若手リーダーの育成研修「黒川塾」がスタートしています。前田氏からは、キャリアデザインの考え方を学ぶ、あるいは旅館の課題発見・解決に関するチーム課題に取り組むといった研修によって生まれた黒川温泉の変化、また今後の課題などが詳細に語られました。

※黒川温泉関連HPより引用(外部リンク)