観光地における雇用環境を考える (観光文化 230号)
観光地、特に温泉地などの現場の方々から最近「人手不足」という話をよく耳にします。急速な訪日外国人の増加が影響しているものと推察しますが、必ずしもそれだけで説明できない構造的な要因が潜んでいることは想像に難くありません。観光立国の推進は、まち・ひと・しごとを創出し、大都市や海外から"人""金""情報"を地方へ移転する、まさに「地方創生」の牽引車と考えられます。その受け皿となる観光地が「人手不足」「人材不足」では、地方創生の実現に影響を及ぼしかねません。まさに、それは地方創生のジレンマと言えるのではないでしょうか。本号では、観光産業、特に宿泊産業を中心に観光地における雇用環境の現状を多面的に把握し、雇用と人材に着目することの重要性や雇用の維持・向上に向けた今後の方向性について考察します。
- 発行年月
- 2016年07月発行
- 判型・ページ数
- A4判 62ページ
- 価格
- 定価1,100円(本体1,000円 + 税)
※本書は当サイトでの販売は行っておりません。
掲載内容
目次
風致探訪其の七十五 東京の夜景美 | 樋口 健二 |
巻頭言3年目の「地方創生」 | 小田切 徳美 |
特集 観光地における雇用環境を考える
特集1「まち・ひと・しごと」の創生と観光―「地方創生」のジレンマと本特集の構成 | 梅川 智也 |
特集2観光産業、宿泊産業、観光地における雇用の状況 | 守屋 邦彦、後藤 健太郎 |
特集3今、観光地の現場で起きていること | |
[1]経営者の視点から―人手不足の実態とは "機会損失"の原因となっている「人材不足」をいかに解消するか |
中澤 敬 |
従業員満足度を高めて、人材確保を | 大西 雅之 |
労務倒産』を防ぐ支援策も必要では | 吉川 勝也 |
[2]従業員の視点から―観光地で働く魅力は何か | |
特集4<インタビュー>観光産業、宿泊産業、観光地における雇用と人材を考える | |
日本のホテル産業の未来を担う人材の育成を | 小林 哲也 |
今こそ宿泊業界は生産性向上を図るべき |
針谷 了 |
必要なのは多層的な教育システム |
田村 明比古 |
特集テーマからの視座 観光地における雇用環境を改善させるために |
梅川 智也 他 |
観光研究最前線(1) これからの観光地づくりと観光計画に関する研究―研究の概要と今後の方向性 |
堀木 美告 梅川 智也 |
観光研究最前線(2) 「観光地経営計画」策定の試み―長野県白馬村を例にして |
堀木 美告 後藤 健太郎 |
観光研究レビュー アジア太平洋地域における観光研究の傾向―観光研究の国際化に関する意見交換会より |
福永 香織 |
活動報告 |
連載
連載Ⅰ私の研究と観光 第5回 歴史を活かしたまちづくりと観光 |
西村 幸夫 |
連載Ⅱわたしの1冊 第5回 『実存・空間・建築』SD選書78 ノルベルグ・シュルツ著、加藤邦男訳 |
下村 彰男 |
所蔵図書紹介 | |
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