- 古書ギャラリー
江戸時代にはじまった庶民の旅は、明治以降、昭和初期にかけて、鉄道と出版メディアの発達、旅行団体の組織化などを背景に、旅行の大衆化と近代化が進みました。戦後は、高度経済成長、高速交通網の整備進展、モータリゼーションの発達などにより国民の生活に根づき、旅行に求めるものやそのスタイルはより多様化し今日に至っています。
本企画展では、<戦前編>と<戦後編>に分け、旅行が次第に大衆化していくとともに、旅行スタイルが時代の変化のなかでどのように移り変わっていったのか、そのあゆみを紹介します。
コロナ禍にあるこの機会に、観光需要の創出・喚起につながった当時の出来事などをたどりながら、日本の旅行文化史を振り返ってみませんか。
<戦後編(その1)概要>
1945(昭和20)年、終戦を迎えた日本は、社会的に必要な出版物として『時刻表』の復刊、旅客列車の復活、全日本観光連盟の結成、旅行雑誌『旅』の復刊など、戦後復興へと歩み始めました。1948(昭和23)年には日本国有鉄道、運輸省が発足し、国内の主要旅行会社の創業も相次ぎました。
1950年代後半からは高度経済成長の時代を迎え、レジャーへの欲求が高まりを見せ、旅行需要も拡大していきます。サラリーマンが大衆旅行の主役になり、男性中心から新婚旅行、若者の一人旅、女性の旅行など旅のスタイルも多様化していきました。
1960年代にはモータリゼーションが本格化し、高速道路や全国各地での観光道路の整備と相まって、マイカー旅行の時代が到来します。
海外旅行は、国際線の開設やジェット旅客機の就航によって、1960年代からは船の旅から飛行機による旅へと移っていきます。
1964(昭和39)年の海外観光旅行自由化後は、安いパッケージツアーの登場によって、海外旅行は大きなブームとなりました。
概要
期間 | 2022年1~3月 |
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場所 | 1F古書ギャラリー |
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