- 古書ギャラリー
江戸時代にはじまった庶民の旅は、明治以降、昭和初期にかけて、鉄道と出版メディアの発達、旅行団体の組織化などを背景に、旅行の大衆化と近代化が進みました。戦後は、高度経済成長、高速交通網の整備進展、モータリゼーションの発達などにより国民の生活に根づき、旅行に求めるものやそのスタイルはより多様化し今日に至っています。
本企画展では、<戦前編>と<戦後編>に分け、旅行が次第に大衆化していくとともに、旅行スタイルが時代の変化のなかでどのように移り変わっていったのか、そのあゆみを紹介します。
コロナ禍にあるこの機会に、観光需要の創出・喚起につながった当時の出来事などをたどりながら、日本の旅行文化史を振り返ってみませんか。
<戦後編(その2)概要>
戦後の日本は、高度経済成長を追い風に、レジャーへの欲求が高まりとともに旅行が大衆化し、マイカー旅行や海外旅行が定着していきました。
1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)は、それまで団体旅行が中心であった国民が個人旅行へと目を向けるきっかけとなり、万博に連動して展開された国鉄の「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンによって、さらに個人旅行は拡大していきました。時を同じくして創刊された『an・an』、『non-no』による、女性のファッションと旅行が結びついた「アンノン族」は社会現象となり、「小京都」ブームの主役ともなりました。
オイルショック後の1970年代後半になると、海外旅行ブームが終焉し、街並み観光や温泉・秘湯ブーム、“安・近・短”の旅行、フルムーン旅行がキーワードとなっていきました。
1980年代に入ると、地方博が花盛りとなり、テーマパークの相次ぐ開業とともに、総合保養地域整備法(リゾート法)の成立によって、全国的にリゾート開発の時代を迎えました。
概要
期間 | 2022年4~7月 |
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場所 | 1F古書ギャラリー |
展示図書一覧 | 1.「大阪万博」と「ディスカバー・ジャパン」 1970年代~
2.アンノン族と小京都ブーム 1970年代~
3.“安・近・短”の旅行、フルムーン旅行 1970年代後半~
4.イベント&リゾートブーム 1980年代~90年代前半
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