各地域の観光に対する価値観の具体的な内容及びその背景について、文献資料調査及びヒアリング調査の結果を整理した。さらに、SDGs時代において企業の社会的責任や存在意義(パーパス)の視点から再注目されつつある近江商人、三方よしの地・近江八幡等を対象に、論文やコラム等の執筆を行った。
概要

本研究が扱う「責任ある観光」は、観光に関わる主体の“価値判断”にまで踏み込む観光倫理研究である。より良い観光への変革には、消費者である観光客個々人の価値観の変化や行動変容が重要であるという認識を前提にしつつ、各地域での観光客の行動基準を考える根拠の一つとなる、地域の観光に対する価値観(思想、考え、哲学等)の具体的な内容及びその背景、そして、観光に関わる各主体への伝え方も含めた実践活動の状況を把握し、地域での観光倫理、責任ある観光の考え方、確立の方法への示唆を得る。地域の価値観はそれぞれ異なるため、まずは個別地域事例を分析した上で、最終的に地域での責任ある観光、倫理的な観光について、共通する考えやフレーム等を提示する。
報告
成果物
報告書
- 『新しい時代のテーマは”浪費なき繁栄” 1979 近江商人のまち近江八幡から考える、責任ある観光は責任あるまちづくりから』
<ヒアリング記録2>鄙びたところを上手に生かす、八幡の良さを温存しながら新しいものを入れていく(⻄村恵美⼦氏(元八幡堀を守る会事務局⻑)
<ヒアリング記録3>修養のために訪れる地、それが近江八幡―ここには見本となる “生き方” “生き様” がある:村井幸之進氏(元近江八幡市役所観光担当部署職員)
<ヒアリング記録4>訪問者が背筋を張って生きていける、その後押しになれるようなことが観光地としての本望:田中宏樹氏((一社)近江八幡観光物産協会 事務局長)
※その他、ヒアリング記録は今後公開予定