日本でスポーツを中心に地域づくりをしようという考え方が広まる契機となったのは、1993年の地域密着を掲げたJリーグの発足と、「2002 FIFAワールドカップ」の誘致活動であると言われる。近年では2019年に開催された「ラグビーワールドカップ2019日本大会」での盛り上がりが思い出される。
2021年に入っても、コロナ禍は依然として収束の兆しを見せなかったが、夏季には一年延期となった「東京オリンピック・パラリンピック」が開催され、各地で熱戦が繰り広げられた。
今回の「観光文化」では、長い年月をかけて地域のスポーツ振興や国際交流事業に取り組んできた5つの地域に、取り組みの歴史、現状と課題、今後の展開を、コロナ禍で開催された東京オリンピック・パラリンピックにどのように向き合ってきたのかなども含めてご寄稿いただいた。「スポーツイベントと地域振興」の要諦を考えるきっかけになれば幸いである。