赤ちゃんのいる家族でも、近場へのお出かけを楽しんでいる人は意外に多いです。迎え入れる側の準備が整えば、少し遠方へと旅行に出かける人がもっと増えるかもしれません。昨年出産したばかりの新米ママの視点から、あったらうれしいサービスや、効果的な販売促進を提案します。
■今、赤ちゃん連れに人気のスポット
赤ちゃんを育てているママは外出が難しいのではと思う方が多いのではないでしょうか。しかし、最近のママ達は違います。身体に負担のかからない抱っこひもやおしゃれなベビーカーが豊富に提供されており、思い思いのスタイルでお出かけを楽しんでいます。また、チャイルドシートがあれば、車で少し遠方への移動も可能です。
さて、今首都圏でたくさんの赤ちゃん連れが集う場所があります。それは、郊外の大型ショッピングセンターです。我が家も毎週のように出かけていますが、同じように赤ちゃんを連れている家族で店内は大賑わいです。
赤ちゃんを育てていると、おむつや粉ミルクなどかさばる消耗品を大量に買い込まなければなりません。荷物がかさむので、車での買い物が便利。なので、広い駐車場が整備されている郊外のショッピングセンターへ出かけるのです。こうしたニーズを見越してか、比較的新しいショッピングセンターで赤ちゃん用品店の出店が目立っています。
■赤ちゃん連れママの外出に欠かせない「赤ちゃん休憩室」
こうしたショッピングセンターに必ず設置されているのが「赤ちゃん休憩室」。授乳室やおむつ替え用のベッドなどが用意されています。中には、ミルクを作るためのお湯や、おむつの自動販売機を設置しているところも。こうした場所が整備されているので、赤ちゃん連れのママが安心してお出かけすることができるのです。
ショッピングセンターのように「赤ちゃん休憩室」が整備されているところはまだまだ少ないですが、人が集まる施設ならたいていトイレにおむつ替えシートが設置されていますので、あとは授乳室さえあれば大丈夫。先日、我が家では赤ちゃんを連れて牧場へ行きましたが(何でも花粉症予防の効果があるそうで)、このときも授乳室の有無が行き先の決め手となりました。立派な「赤ちゃん休憩室」がなくても、いすとカーテンのある小部屋が用意されているだけでも十分なので、今後観光地でも整備が進むといいなと思います。
■露天風呂付き客室で“温泉デビュー”はいかが?
赤ちゃんを連れて宿泊旅行に出かけたことはまだありませんが、もし行くなら和室を選びます。なぜなら、赤ちゃんが床に手をついてハイハイをするので、靴を履いて入る洋室の部屋よりも、床が清潔な畳の部屋の方が良いからです。また、寝ている間に寝返りをするので、ベッドよりも畳の上の布団に寝かせる方が安心です。
それから、できれば客室に温泉がついている方がいいですね。赤ちゃんを共同浴場に連れて行くのは他のお客さまに迷惑がかかりそうで抵抗がありますし、それに我が子の記念すべき”温泉デビュー”は家族みんなで楽しみたいもの。さらに、月齢に応じた離乳食なんて提供されたりしたら、その宿のファンになってしまうこと間違いなしです。もちろん、その分の経費は別途きちんと請求していただきたいですし、あらかじめこれらの経費を含めた宿泊料金にしても良いと思います。
子どもがいなかった頃に、露天風呂付き客室の良さを知ってしまったパパママ達が、もしかしたら今度は赤ちゃんを連れて行きたいとウズウズしているかもしれませんよ。
■販売促進は子育てパパママに直接アプローチ
赤ちゃん連れ家族をターゲットにするなら、販売促進では子育てパパママに直接アプローチすることが大切です。待つのが嫌いな赤ちゃんを連れて旅行会社には絶対行けません。具体的には、赤ちゃん用品を専門に取り扱う店舗や通販カタログを接点として活用することをオススメします。赤ちゃん連れ大歓迎の宿や授乳室の情報を集めた冊子を店舗で配布したり、通販カタログで宿を紹介したりすると効果的ではないでしょうか。
もうひとつ、意外な接点として紹介したいのが「食材宅配サービス」です。日々の買い物の負担を軽減できる上、食材の質も高いので、子どもの健康を考える多くのママが利用しています。集団での予防接種の日を狙ってわざわざ営業にやって来るぐらい、食材宅配業者にとって子育てママは重要なマーケットなのです。毎週届くカタログでは食材だけでなく、洗剤やトイレットペーパーといった日用品からエアコン掃除、布団洗浄まで幅広い商品を取り扱っています。また、日頃カタログに掲載されている食材の産地での農業体験を募集するチラシが入ってくることもあります。子育てママに直接アプローチするなら、こうしたメディアを活用するのもひとつの手です。
■赤ちゃんがいる今だからこそ行きたくなる旅を
この夏に子どもを連れて旅行に行きたいと思っていろいろ調べてみたら、赤ちゃん連れを対象とした宿泊プランを提供している宿を複数発見してうれしくなりました。また、今夏にジャルパックが飛ばす家族旅行専用のチャーター便では授乳スペースが設けられるとのことで、私の旅心をくすぐられました。機内でのおっぱい体験は貴重です(笑)。赤ちゃん連れというのはどうしても制約の多さが目立ってしまいがちですが、機能面でのサポートに加えて、赤ちゃんがいる今だからこそ行ってみたいと思わせてくれる旅の提案が増えるといいなと思います。