今年2月、久しぶりに開催された中学校の同窓会に出席して以来、中学校時代の友人と集う機会が多くなりました。”某ホテルが結婚式の少なくなる夏場対策として打ち出した同窓会プランが、40代~60代の支持を得て思わぬヒットに結びついた”のが90年代前半。今でも安定的な利用があると言われていますが、かく言う私も40代になり、まさに”同窓会世代?”に突入したようです。
今回のコラムでは、最近、仲間うちでも一番話題となった「修学旅行」について、ご紹介したいと思います。
■修学旅行とは、、、。昨今の修学旅行の特徴は、、、。
わが国の修学旅行は、その淵源を江戸時代の社寺参拝に見ることができると言われています。その後、時代の変化の中で、学校を中心とした教育の一環として長く受け継がれ、日本独自の修学旅行の形態が確立されました。
学習指導要領の上で、修学旅行は特別活動の「遠足・集団宿泊的行事(小学校)」「旅行・集団宿泊的行事(中学校・高校)」に位置づけられています。そして、その旅行・集団宿泊的行事の目的には、「望ましい集団生活を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団や社会の一員としてより良い生活を築こうとする自主的・実践的な態度を育てるとともに、人間としての生き方について自覚を深め、自己を生かす能力を養う」とあります。
現在、修学旅行の実施率は小学校、中学校、高校でともに9割を超え、目的地も国内外を含めて多彩になり、航空機を使用しての遠隔地での実施など、その範囲も飛躍的に拡大しています。旅行内容をみると、ここ数年は体験学習の実施が顕著であり、さらに単なる農村、漁村、山村体験だけでなく、宿泊を伴った生活体験へと変わってきています。
話が少々難しくなりましたが、いずれにせよ、今も昔も修学旅行が学校の重要な行事のひとつであることに変わりはないようです。
■修学旅行の思い出 ~どこに行った、何をした?~
さて、その修学旅行について、先日、仲間達と話す機会がありました。私の頃(1983年当時)は、首都圏の多くの中学校では今のような体験学習も少なく、団体で関西方面の主要な観光地を訪れる旅行が中心であったと記憶しています。「、、、記憶しています。」と言うと、如何にも当時の修学旅行の様子を鮮明に覚えているように思われるかもしれませんが、「修学旅行はどこに行った、何をした?」、この問いに、私も含めて自信を持って答えられる者の少なかったこと(いや、いなかった)に、驚きました。
「新幹線の車内でトランプをした」とか、「旅館で枕投げをした」とかは、すぐに思い出されるものの、肝心の旅行先を全く思い出すことができません。ようやく、「二見岩の絵を『旅のしおり』に描いた(ような)」、「伊勢神宮に行った(ような)」、「海女さんが潜るのを見た(ような)」など、断片的な記憶が思い出されるばかり、、、。中学校時代のアルバムを持ち出してみても、”笑顔でピースサイン”のスナップ写真ばかり、、、。
*:JTBが2007年11月に実施した「JTB Webアンケート調査結果」(http://www.jtb.co.jp/myjtb/pr/)
をみると、
・修学旅行の一番の思い出は、「友達との思い出」(41%)がトップ
~熟年~若い世代は”友人”との思い出を懐かしむ
・修学旅行になくてはならないものは、「枕投げ」(17%)がトップ
~項目は異なっても、友人と共有する時間が最も大切!
との分析が掲載されていましたが、どうやら私たちは、まさにこのタイプのようです。
そこで、当時、引率された先生にお尋ねしてみると、「当時は珍しいことですが、鳥羽→奈良→京都の順で回り、海岸で遊んだり、ミキモト真珠島を見たりしていました。林間学校は蔵王から山寺だったし、良いところを観ていた時代ですね。」とのこと。(今も旅行会社は「修学旅行の内容をより充実させる」という課題に学校側と協力して取り組んでいますが、当時、私たちの修学旅行を扱った旅行会社もベストの行程を考えてくださっていたようです。)
その後、”あーでもない”、”こーでもない”と四苦八苦しながら、断片的な記憶をかき集めて、まるでパズルのように組み立てて、30年近くの時を経て、頭の中での2回目の修学旅行を楽しみました。
そして、全容が見えてきた今、もっぱらの話題は、3回目の修学旅行!、もちろんバーチャルではなく、”実際に行こう”という話で盛り上がっています。40過ぎのおじさん、おばさんの団体が、思い出(?)の”鳥羽→奈良→京都”へ、もう一度修学旅行に出る日もそう遠いことではなさそうです。
皆さんは、ご自身の修学旅行のことを、どのくらい覚えていらっしゃいますか。
秋の行楽シーズン、気のおけない仲間達と、思い出の地を旅してみてはいかがでしょう!