あちこち巡る?じっくり浸る?
みなさんは旅行に行くとあちこち巡る派ですか?それともじっくり浸る派ですか?誰と行くか、どこに行くかによって異なる行動をする方もいらっしゃると思いますし、毎回あちこち派!毎回じっくり派!という方もいらっしゃるかもしれません。もちろん旅行先までの距離や泊数にもよりますが、日本人の国内宿泊旅行ではどちらのタイプの旅行が多いのでしょうか。
1回の旅行で訪れた都道府県の数は?
そこで、(公財)日本交通公社「JTBF旅行実態調査2013」を用いて分析を行ってみました。本調査は、2013年に国内宿泊旅行を実施した人を対象としたインターネットによる調査です(標本数:5,000人、トリップ数:9,708件。)
ここでは、1回の旅行で訪れた都道府県の数に着目しました【図1】。1都道府県訪問者を“じっくり派”、2都道府県以上訪問者を“あちこち派”と捉えると、じっくり派が8.5割、あちこち派が1.5割という比率となりました。この結果、みなさんの予想通りでしたでしょうか?
来訪回数別にみると?
ここで私は、どういった状況だとよりあちこち動くのだろう、という点が気になりました。様々な要素が考えられますが、今回は「来訪回数」と「同行者」の2つの軸を取り上げてみることにしました。
まず、来訪回数別の訪問先都道府県数を【図2】に示しました。初めて訪れる地域を含む旅行の場合、2つ以上の都道府県を訪問した回答者は約1割に留まるのに対し、2回目以上の地域を含む旅行においては、その比率が2割弱とやや増加しています。つまり、初めて訪れる場所は“じっくり”、2回目以上になると“あちこち”、というような旅行をしていることがわかります。
同行者別にみると?
次に、同行者別の訪問先都道府県数の結果をみてみましょう【図3】。他の同行者に比べて“あちこち派”が多いのは、「大人の家族旅行」「夫婦での旅行」「自分ひとりでの旅行」となりました。この結果をみると、移動しやすさが影響していると考えられます。子ども連れや大人数の旅行になると移動もなかなか大変です。“あちこち派”が多い大人のみや夫婦、ひとりなどは、比較的移動がしやすい形態と言えるのではないでしょうか。
旅行年報2015のご紹介
今回は、ごくごく簡単ですが、1回の旅行あたりの訪問都道府県数に着目した分析を行いました。今回の分析に用いたデータは2013年の日本人の国内旅行市場になりますが、2014年の旅行者の動きについては、近日中に発行予定の「旅行年報2015」で紹介しています。本書は、前年度の観光を取り巻く旅行市場や観光産業、観光地、観光政策などに関する各種統計資料をもとに、およそ過去一年の動向を概観するものです。
本ホームページにもPDF版が公開されます。ご興味のある方は、ぜひ、ご活用ください!
参考
- 公益財団法人日本交通公社「旅行年報」