「旅の図書館」は、観光関連の学術誌や観光統計資料の他、古書・稀覯書、ガイドブック、時刻表、機内誌、観光研究の専門図書、財団の刊行物・出版物など観光研究の参考に資する図書をとりそろえた専門図書館です。
1978(昭和53年)、より文化的、専門的な旅行や観光に関する情報をご提供するため、「観光文化資料館」(1999年に「旅の図書館」に改称)として開設し、多くの方にご利用いただいてまいりました。
「観光はそれ自体が文化であり、その観光文化を向上させたい」という開設当初の理念を継承しつつ、2016年、移転を機に、「観光の研究や実務に役立つ図書館」をコンセプトとしてリニューアルオープンしました。
様々な文献から“研究の種”を、多くの参考事例から観光政策や観光地づくりの“現場に活かすヒント”を見つけてください。
観光分野の専門図書館として、観光を研究している方・学んでいる方、観光政策の立案、観光産業や観光地の経営や実務に携わっている方、あるいは広く観光に関する動向や歴史に興味をお持ちの方向けの図書館です。
●国連世界観光機関(UNWTO)の寄託図書館
当館は、2017年3月、国連世界観光機関(UNWTO)の「寄託図書館」に認定されました。
「寄託図書館」とは、高度な教育機関または科学の分野で認知された機関に属していること、UNWTOの刊行物を収集し、広く公開する図書館であることといった、一定の基準のもとに認定されるものです。世界では53館、国内では当館を含め2館が認定されています。
当館の蔵書は約7万冊。広範な分野の資料を収蔵する公共図書館や大学図書館における資料・図書の分類は、一般に日本十進分類法(NDC)を用いていますが、当館では、専門分野や蔵書の特徴に対応するため、観光研究資料(T分類)、財団コレクション資料(F分類)、基礎文献(NDC分類)の3つの分類方法を用いています。
●専門性・希少性の高い蔵書の公開
当財団の調査研究部門が活動の中で収集してきた専門性の高い図書や統計、公開可能な調査研究報告書なども蔵書として統合し、可能な限り公開しています。
またこれまで予約限定で閲覧いただいてきました古書・稀覯書(約3000冊)も、専用書架を設置して、来館時の公開性を高めました。
外国の観光政策を日本語に訳した戦前の本、明治期の日本国内の温泉や観光地の様子を記した文献、あるいは昭和初期の日本の観光魅力を英語で紹介したガイドブックなど、国内外の政府組織や旅行・観光産業界が発行、活用してきた貴重な資料があります。
「日本交通公社ビル」には100名規模のシンポジウムが開催可能な「ライブラリーホール」があります。
図書のある空間の魅力を活かし、書架に隣接したホールや会議室での研究会、シンポジウム、たびとしょCafeなど、観光の研究や実務に携わる皆様が集まり交流できる機会を提供します。当財団の調査研究部門や「旅の図書館」がこれまでに得た知見やネットワークをより多くの皆様と共有し、様々な情報や人との出会いが生まれる場を創出していきます。
観光の研究や実務に携わる方々を 中心に、どなたでも ご利用いただけます。