コラム

研究員が調査研究活動や普段の生活の中で感じたことを、ホットな雑感として綴っています。

コラム一覧

「あるべき姿」に近づくために [コラムvol.195]

「あるべき姿」に近づくために [コラムvol.195]

■満足度で測っているものは何?  これから10年後、自然観光地を訪れる観光客の満足度はどうなっていくのでしょうか。 今のまま推移すれば、おそらく低下していくでしょう。  これは必ずしも自然観光地の魅力が低下していくから、・・・

外国人旅行者から学ぶ日本の魅力 [コラムvol.194]
  • 旅行者動向
  • 観光資源

外国人旅行者から学ぶ日本の魅力 [コラムvol.194]

観光研究部 上席主任研究員 相澤 美穂子

 先日台北出張の際に利用した成田空港は多くの外国人で混雑していました。まだ梅雨が明けていない時期にも関わらずこれだけの賑わいを見せていたのはやはり円安の影響でしょうか。円安の恩恵を受けてか旅行者の財布の紐も緩んでいるよう・・・

地域における温泉旅館、その価値と意味 [コラムvol.193]
  • 観光政策・観光地経営

地域における温泉旅館、その価値と意味 [コラムvol.193]

立命館アジア太平洋大学 サステイナビリティ観光学部 教授(特別招聘教員)(出向中) 吉澤 清良

観光文化の振興を目指す当財団は、まちづくりに熱心に取り組む温泉地(阿寒湖、草津、鳥羽、有馬、由布院、黒川)との協働で、「温泉まちづくり研究会」(2008年6月発足)を運営しています。  3月7日(木)~8日(金)には、2・・・

原因は一歩下がって俯瞰しないとわからない [コラムvol.192]
  • 旅行者動向
  • 観光政策・観光地経営

原因は一歩下がって俯瞰しないとわからない [コラムvol.192]

理事/観光研究部長/旅の図書館長 主席研究員/博士(社会工学) 山田 雄一

■冷蔵庫と中心市街地 突然ですが、皆さん、ご自宅の冷蔵庫の大きさってどれくらいですか? 以下の経産省の資料(図4、表3)によると、140L 以下は小型、141-300L は中型、301-400L は大型、401L以上を超・・・

日本人観光客は乗り継ぎ旅行を好まない? [コラムvol.191]
  • 旅行者動向
  • その他

日本人観光客は乗り継ぎ旅行を好まない? [コラムvol.191]

JTB総合研究所 コーポレート共創部 主任研究員(出向中) 牧野 博明

■直行便はやはりありがたい! 本年3月7日に、新しい石垣空港がオープンしました。滑走路長の延伸により、東京、大阪、名古屋からの定期直行便が就航(一部は再開)することとなりました。さらに今後は、国際線の開設、LCC(ロー・・・・

音楽体験と旅行体験の一回性・ライブ性 [コラムvol.190] 

音楽体験と旅行体験の一回性・ライブ性 [コラムvol.190] 

 音楽CDの販売がふるわない一方で、ライブなどの公演数や動員数は増えているそうです。これは「その時ただ一度きりの経験」が見直されていることの表れだと考えられます。もしこのことが旅行についても同様に言えるとすれば、これから・・・

戦前・戦後の観光計画から学ぶ [コラムvol.189]
  • 観光政策・観光地経営

戦前・戦後の観光計画から学ぶ [コラムvol.189]

ニセコ町商工観光課 ((株)ニセコリゾート観光協会事務局長)(出向中) 中野 文彦

 今日、多くの自治体では観光計画(ビジョン、戦略、アクションプラン等々)を策定しています。しかし「観光」に取り組み始めたばかりの自治体では、観光計画を策定するプロセスにおいて、試行錯誤を繰り返すことも少なくありません。 ・・・

ぴとぅるぴき むーるぴき [コラムvol.188]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

ぴとぅるぴき むーるぴき [コラムvol.188]

おきなわサステナラボ長 兼 観光研究部 上席主任研究員 中島 泰

 ひとりが立ち上がれば、みんなも立ち上がる。  あの森も、この山も、「木」一本から始まっていて、何事もひとつのことから始まる。  沖縄の島に伝わる古い言葉、「ひとり(ぴとぅる)引(ぴ)き、群引(むるぴ)き」の意味です。 ・・・

地域のお宝(地域資源)を探す方法 [コラムvol.187]

地域のお宝(地域資源)を探す方法 [コラムvol.187]

 地域活性化をお手伝いしていると、「自分たちの地域の価値を上げたい」という地元の熱い期待を背中に感じます。しかし、自分が長年住んでいる地域について新たな価値を見出すことは簡単なことではありません。地域の価値は、地域の人が・・・

Duty Freeからみた国際競争力 [コラムvol.186]
  • 旅行者動向
  • 観光経済

Duty Freeからみた国際競争力 [コラムvol.186]

 今年に入ってインバウンド政策についての自主研究をスタートした。  先ずは、海外諸国のインバウンド政策を中期計画を中心にレビューし、政策の類型化から着手したところである。その作業と同時並行で、海外のインバウンド誘致に関わ・・・

VFRがひらくツーリズムの未来 [コラムvol.185]

VFRがひらくツーリズムの未来 [コラムvol.185]

概要  ツーリズムの3大目的とされるのが観光(休暇)、ビジネス、そしてVFRです。筆者は、このVFRが今後、優れて21世紀的なツーリズムとして重要な位置付けを獲得していくのではないか、と考えています。 本文  標題をご覧・・・

歩いてわかった「まち歩き」の進化 [コラムvol.184]

歩いてわかった「まち歩き」の進化 [コラムvol.184]

 観光振興の手段として「まち歩き」に取り組む自治体が増えています。マップ作成、ガイド養成、コースづくり、ホームページでの募集――事業内容は皆よく似ていて、それらを紹介する新聞記事の結びも決まって「土地の人との会話と人情が・・・

年頭コラム「小さな幸せ」探し [コラムvol.183]

年頭コラム「小さな幸せ」探し [コラムvol.183]

 お正月の風物詩といえば、初詣です。今年も、三が日の間に明治神宮、川崎大師、成田山新勝寺などに三百万人もの初詣の人が訪れたとTVや新聞が伝えています。  この初詣は古くから続く伝統行事だと誰もが思っているのですが、明治か・・・

2012年を振り返って -観光産業のイノベーションの芽を育てよう- [コラムvol.182]

2012年を振り返って -観光産業のイノベーションの芽を育てよう- [コラムvol.182]

 2012年の旅行・観光動向は訪日旅行を除いては回復の道筋が立ちつつありますが、観光産業が内包する課題として、細分化するマーケットに対応して必要なサービスと不要なサービスを取捨選択して中間価格帯で提供するセレクトサービス・・・

続・観光地の「断る力」~オーストラリア・ロード・ハウ島の事例から~ [コラムvol.181]
  • 観光政策・観光地経営
  • その他

続・観光地の「断る力」~オーストラリア・ロード・ハウ島の事例から~ [コラムvol.181]

観光研究部 上席主任研究員 菅野 正洋

■観光地の「断る力」とは  以前、私はこのコラムで「観光地の断る力」(vol.85)と題する文章を書きました。 そのとき私がお伝えしたかったことは概ね以下のような主張でした。    観光地域づくりにおいて、地域の実情に応・・・

タブレット端末の威力~小さな子どもたちも動画サイトを見る時代に [コラムvol.180]

タブレット端末の威力~小さな子どもたちも動画サイトを見る時代に [コラムvol.180]

 今回のコラムでは「タブレット端末」と「子ども」を取り上げます。使ったことのある方はご存じかと思いますが、タッチパネルを搭載したタブレット端末はパソコンに比べて操作がとても簡単。現代の子どもたちは、この革新的なツールにど・・・

多文化に触れ、グローバルを養う「旅の力」 [コラムvol.179]

多文化に触れ、グローバルを養う「旅の力」 [コラムvol.179]

●旅を通して違いに気づき、自分を知る ~多様性に触れる旅を通して  今夏は中学生の娘達とケアンズへ旅行。キュランダでアボリジニ文化の神秘を体感、グリーン島では迫力満点のクジラに遭遇、可愛さのあまりコアラ飼育員を目指す宣言・・・

“自然と人に癒される道”~「済州オルレ」を歩いて [コラムvol.178]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光資源
  • その他

“自然と人に癒される道”~「済州オルレ」を歩いて [コラムvol.178]

 トレイル、フットパス、長距離自然歩道、歴史古道など、フィールドやテーマなどの違いによって呼び名は異なるものの、10キロから数十キロ、さらには数百キロに及ぶ長距離歩道が注目されつつあります。健康づくりやリフレッシュ、ある・・・

「前田正名」という人~阿寒湖の人と自然を守ってきた前田一歩園の初代園主とは? [コラムvol.177]

「前田正名」という人~阿寒湖の人と自然を守ってきた前田一歩園の初代園主とは? [コラムvol.177]

はじめに  本年4月1日から公益財団法人として新たなスタートを切った日本交通公社。その機関誌『観光文化』がこの10月の215号から誌面が改訂されることとなりました。改訂第1号の特集テーマは『観光地づくりの本質を探る~観光・・・

先進事例を「物語」で学ぶ~地域内で〝共通言語〟を得るために [コラムvol.176]

先進事例を「物語」で学ぶ~地域内で〝共通言語〟を得るために [コラムvol.176]

 学びの秋を迎え、当財団がお手伝いしている研修事業も本格化してきました。  最近、私がよく取り入れる研修スタイルとして、観光振興を題材にした「物語」を読み解くケーススタディがあります。日頃、異なる職場や立場で働いている人・・・