コラム

研究員が調査研究活動や普段の生活の中で感じたことを、ホットな雑感として綴っています。

コラム一覧

「キャリング・キャパシティ」は算出できるのか(その1) [コラムvol.32]
  • 観光と社会の潮流
  • 観光資源

「キャリング・キャパシティ」は算出できるのか(その1) [コラムvol.32]

常務理事/博士(農学) 寺崎 竜雄

過剰な観光利用から自然資源をまもるために観光利用者数を制限しよう。それでは、いったい何人の利用までならば資源への影響をくい止められるのだろうか。そのデッドラインとなる人数、いわゆる環境収容力(Carrying Capac・・・

地球温暖化の観光産業への影響について [コラムvol.30]
  • 観光と社会の潮流

地球温暖化の観光産業への影響について [コラムvol.30]

 日本においても地球温暖化問題への関心が少しずつ高まっているように思います。地球温暖化は観光産業にどのような影響をもたらすのでしょうか。 ■地球温暖化問題への関心の高まり  地球温暖化問題が日本人の中に本格的に浸透し始め・・・

「若年層の海外旅行ばなれの真の要因を探る」 [コラムvol.29]

「若年層の海外旅行ばなれの真の要因を探る」 [コラムvol.29]

要約  2006年~2007年の景気回復下でも歯止めがかからなかった若年海外旅行者数。この10年続いた減少の真の要因はどうやら経済より社会的側面に隠されていたようです。本稿は人間関係(人付き合い)と消費行動を関連づける視・・・

団体旅行は終わらない [コラムvol.28]

団体旅行は終わらない [コラムvol.28]

 この6~7年の間に30ヶ所を越える温泉地を取材してきました。異口同音に聞かれることの一つに、「団体から個人客へ」というお客様の変化があります。我々の調査でも、個人旅行の比率は約9割を占めています(『旅行者動向2007』・・・

「旅行の同行者」に注目 [コラムvol.27]

「旅行の同行者」に注目 [コラムvol.27]

要旨  宿泊施設のマーケティング活動では消費者の属性区分だけではなく旅行目的による区分が重要です。しかし旅行目的は旅行者自身も明確に意識していないことが多く、観察や調査等で把握することは容易ではありません。そこで旅行目的・・・

古民家活用への取り組みから考える農山漁村の再生に必要なもの [コラムvol.26]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光資源
  • 観光と社会の潮流

古民家活用への取り組みから考える農山漁村の再生に必要なもの [コラムvol.26]

<はじめに>  過疎化が進み、さらに平成の広域市町村合併によって「周辺化」が加速しつつある農山漁村地域の再生という課題に対し、観光・交流の面からどのように取り組めば良いのか。古民家再生への取り組み例から、この問題を考えて・・・

観光イノベーションの時代-構造改革と地域格差 [コラムvol.25]

観光イノベーションの時代-構造改革と地域格差 [コラムvol.25]

<はじめに>  バブル経済が崩壊した90年代初頭から既に15年以上が経過しました。その間、国内旅行、特に宿泊旅行は右肩下がりを続け、観光地は団体客の減少や急激なニーズの変化などにより疲弊してしまいましたが、21世紀に入っ・・・

地域の魅力づくりと保全 [コラムvol.24]

地域の魅力づくりと保全 [コラムvol.24]

 今秋の観光庁の設置とともに、それに呼応して都道府県の観光行政組織も強化される動きが出てきています。こうした組織強化とともに、観光政策も国内観光地の持続的な発展に有効な展開が望まれます。そのためには、地域の魅力づくりの活・・・

財布の紐がゆるむ時~「想い出を買う」ということ [コラムvol.23]

財布の紐がゆるむ時~「想い出を買う」ということ [コラムvol.23]

 「特別な経験」に対して、一定の対価を支払いたいという消費者は存在します。そうした人々の財布の紐をゆるめるような商品知識と魅力的なコミュニケーション能力が、旅館にも求められています。 ■「百貨店での買い物」の魅力  私の・・・

平成の市町村合併で思うこと-求められる新たな地域イメージづくり- [コラムvol.22]

平成の市町村合併で思うこと-求められる新たな地域イメージづくり- [コラムvol.22]

 「平成の大合併」によって、従来の市町村数が約44%減少しました。この合併で多くの新しい市町村が誕生しましたが、その名称にやや問題があったりして、名称から大体の位置やその地域の特徴をイメージしにくいところも少なくありませ・・・

観光地を「売る」努力-Promotionの大切さ [コラムvol.21]

観光地を「売る」努力-Promotionの大切さ [コラムvol.21]

 観光客の減少に歯止めがかからず、「どうしよう・・・」と悩んでいる観光地は多いと思います。「観光客に来てもらう」ことを、「モノを売る」という行為と比較しつつ考えてみます。 ■マーケティングの4つの「P」  現代は、人々の・・・

観光のバリアフリー [コラムvol.20]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

観光のバリアフリー [コラムvol.20]

立命館アジア太平洋大学 サステイナビリティ観光学部 教授(特別招聘教員)(出向中) 吉澤 清良

 日本は世界にも類を見ない少子高齢・人口減少社会を迎えています。これからの観光地には、こうした市場の環境変化にも対応して、“バリアフリー”、“ユニバーサルデザイン”の観点から、ハード・ソフトの両面において高いレベルで、「・・・

農耕型に転換する観光振興 [コラムvol.19]
  • 観光政策・観光地経営

農耕型に転換する観光振興 [コラムvol.19]

理事/観光研究部長/旅の図書館長 主席研究員/博士(社会工学) 山田 雄一

◆農耕型に転換する観光振興  観光のとらえ方、定義には諸説あります。こうした観光定義の「多様性」は、観光に対する社会的認知が広がり、各所で注目されるようになった結果、多様な主体がそれぞれの立場や考え方から「観光」を考える・・・

産業観光と産業遺産(ヘリテージ) [コラムvol.18]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光資源
  • 観光と社会の潮流

産業観光と産業遺産(ヘリテージ) [コラムvol.18]

JTB総合研究所 コーポレート共創部 主任研究員(出向中) 牧野 博明

近年、「産業観光」や「産業遺産(ヘリテージ)」という言葉が全国で脚光を浴びつつあり、このテーマの調査・研究にたずさわっている身としては大変喜ばしく感じています。従来の自然資源(山岳、河川、海浜など)や人文資源(社寺・仏閣・・・

風景の「発見」から考えること [コラムvol.17]

風景の「発見」から考えること [コラムvol.17]

目に映る風景の変化は、日常生活から離れて旅に出たことを実感させてくれる、重要で分かりやすい要素です。しかし風景を切り取るまなざしは時代とともに移ろい、また個々人によっても異なります。現在の旅行者は、どのように風景を捉えて・・・

日・台・韓・マレーシアのホームスティ・ホテル(民宿)事情 [コラムvol.16]
  • 観光政策・観光地経営
  • その他

日・台・韓・マレーシアのホームスティ・ホテル(民宿)事情 [コラムvol.16]

ニセコ町商工観光課 ((株)ニセコリゾート観光協会事務局長)(出向中) 中野 文彦

筆者は2007年7月に約3週間、ハワイ大学のTIM(Travel Industry Management)スクール「Executive Development Institute for Tourism (EDIT)」に・・・

「観光地の品格」について考えてみませんか [コラムvol.15]
  • 観光と社会の潮流

「観光地の品格」について考えてみませんか [コラムvol.15]

常務理事/博士(農学) 寺崎 竜雄

印象に残った旅先のことをふりかえってみると、そこで暮らしている人たちのことが思い出されることがよくあります。彼らの何気ない生活の一場面にふれて、気高さを感じたことはありませんか。 ■印象に残った旅  思い出を語ることが主・・・

2008年の年頭に考える「グローバルな感覚が“ニッポン”の観光を面白くする!」 [コラムvol.14]

2008年の年頭に考える「グローバルな感覚が“ニッポン”の観光を面白くする!」 [コラムvol.14]

要旨  豊富な海外旅行経験や急増する海外からの旅行者が、日本の観光を変えようとしています。豊富経験や新たな視点が、日本や日本文化を新しい“ニッポン”や“ニッポン文化”として再評価し、日本国内への旅行者を増やしています。ま・・・

今年1年を振り返って [コラムvol.13]

今年1年を振り返って [コラムvol.13]

■今回のテーマ 今年1年の観光の動きを概観し、観光立国基本計画の策定により大きく前進しつつある観光統計の整備に期待するとともに、これからの統計の整備について考えてみます。 ■需要動向  2007年は3月に能登沖地震、7月・・・

これからのスタンダード『宿泊旅行統計』を読む [コラムvol.11]
  • 旅行者動向
  • 観光経済

これからのスタンダード『宿泊旅行統計』を読む [コラムvol.11]

理事(観光政策研究担当)/博士(観光科学) 塩谷 英生

■今回のテーマ  今日は観光統計の話をします。国土交通省が今年度からスタートした「宿泊旅行統計」をどう活用するかについてです。まだスタートして間もない新しい統計ですが、欧州等では宿泊統計は最も基礎的な観光統計として既に定・・・